

トム・クルーズが命がけで挑む危険なスタント、大規模なアクション、近未来的なスパイ技術が見どころのスパイ映画『ミッション:インポッシブル』シリーズ。中でも、作中に登場する「変装技術」は、実際のスパイ活動においても十分に現実的だという。
22日に放送された米CBSの番組『CBS Mornings』に出演した元CIAの技術作戦担当官ジョナ・メンデス氏は、次のように語った。
「映画には現実には存在しない技術もあるが、“素早くマスクを脱着する”というアイデアは非常にリアル。私たちは必要に応じて実際に使用し、成果も得ていた」
メンデス氏によれば、CIA在籍中には性別や人種を偽装するのはもちろん、双子のようにそっくりな人物を“作り出す”ことまで検討されていたという。
あるとき、彼女はマスクを装着したまま、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の会議に参加。誰にも気づかれずにその場に溶け込み、マスクを外した瞬間には隣にいたジョン・スヌヌ首席補佐官が思わず叫び声をあげたという。
「変装技術をここまで進化させたことを、大統領に見せたかったのです」
映画同様に、鏡を使わず駐車場でも変装できるほどスピーディかつ実用的だったが、素材には課題もあった。退任から数年後、CIAのアーカイブでマスクを見たところ、緑色に変色していたという。
そんなリアルなスパイ技術を彷彿とさせるシリーズ最新作、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は5月23日、日米同時公開される。