猫頭?トカゲ? 謎に満ちたその姿

 タッツェルブルムの最も有名なイメージは、「猫のような頭部を持ち、蛇のような胴体を持つ」というものだろう。しかし、目撃情報や伝承における姿は実に多様だ。

 一般的には、ずんぐりとした蛇、あるいは扁平なトカゲのような姿で描写されることが多い。体長は目撃例によって様々で、約30cmほどの小さなものから、1.8メートルを超えるものまで報告されている。日本の伝説上の生き物「ツチノコ」のような存在、と表現されることもある。

 足については、鉤爪(かぎづめ)を持つとされ、その数は2本、4本、6本、あるいは多数あるなど伝承によって異なる。時には毛深く、イノシシのような剛毛が背中に生えていた、という記録さえある。スイス中部の伝承では、白と黒の2種類がおり、白色種は頭に小さな王冠を戴いているとも言われる。