ブラジルで聖書を燃やす様子を撮影し、その動画をインターネット上に投稿した男性が、複数の銃創を負った遺体で発見された。警察は殺人事件として捜査を進めている。
亡くなったのはアントニオ・ローシャ・デ・ソウザ氏(47歳)。彼の遺体は5月14日に発見された。死亡する10日前、アントニオ氏は聖書に火をつける動画をアップロードしていた。報道によれば、動画の中で彼はライターで聖書に火をつけ、カメラに向かって嘲るようにこう語っていたという。
「これは聖書だ。神聖なものだと言われている。火をつけたらどうなるか見てみろ。燃えるじゃないか」
さらに彼は挑戦的な口調で、「私にとって神は存在しない。これは人々を奴隷にし、操るための手段に過ぎない。まだ目が覚めていないなら、目を覚ます時だ。この『神聖な』ものが火の前でどうなるか見てみろ。目を覚ます時だ――神は存在しない」と付け加えていた。
事件の背景と警察の捜査
警察によると、アントニオ氏はブラジル北東部、フォルタレザの西に位置するティアングアの路上で射殺されたという。しかし別の報道では、地元住民が一人暮らしをしていた彼のアパートで遺体を発見し、警察に通報したとも伝えられている。
当局は事件を捜査中だが、現時点で逮捕者は出ていない。警察の広報担当者は報道陣に対し、「あらゆる可能性を視野に入れて捜査している」と述べている。
彼が燃やした聖書は盗まれたものだと疑われている。警察は5月10日に窃盗、器物損壊、そして冒涜行為の容疑で捜査を開始していた。また、彼には重傷害の前科もあったと報じられている。アントニオ氏はソーシャルメディア上で頻繁に自身の意見や批判的な内容を公に投稿していた。
奇妙なことに、アントニオ氏が最後にソーシャルメディアに投稿した内容は、「キリストの信奉者、(平和の番人)。かつて死んでいた者たちの中で、(キリストにおいて)再び生まれた…神によって試され、試練を受け、認められた後」というものだった。
