1902年、アメリカで行われた一風変わった防腐処理が話題となった。死後3カ月も経った遺体が、まるで生きているかのように椅子に腰かけていたのだ。この“ビスガ・マン(Bisgma Man)”と呼ばれる男性は、驚異的な防腐技術の成果として、生者さながらの姿で広告に登場するという奇怪な存在となった。

見た目はまるで生きている男――伝説の“ビスガ・マン”

 事件の舞台となったのは1902年。ある男性が死亡後、特殊な防腐液「Bisga(ビスガ)」を用いて処理され、椅子に腰かけた姿のまま保存された。しかもその姿はあまりに自然すぎて、通りかかる人が「ただ座っているだけの男」と見間違えるほどだったという。

 さらに驚くべきは、この“保存された男”の写真がBisga防腐液の広告に使用されたことである。写真では、ビスガ・マンがスーツに身を包み、脚を組んで優雅に座っている姿が映し出されている。これが広告だとは、現代の感覚ではにわかに信じがたいが、当時はこのような保存技術が誇りでもあったのだ。

死後3カ月間、椅子に座り続けた男「ビスガ・マン」──不死身の広告塔の正体とは
(画像=画像は「Cult of Weird」より,『TOCANA』より 引用)

防腐液「Bisga」の驚異的な効能とは?

 この防腐液「Bisga」を開発した人物によれば、Bisgaは従来の処理法とは異なり、遺体から血液を抜く必要がないという画期的な特徴を持つ。むしろ血液を抜いてはいけないという独自理論に基づき、血中の変色を取り除き、自然な肌色を蘇らせる化学変化を促すという。

 広告文では、「私の言葉を鵜呑みにするな。2000人以上の遺体処理技師がBisgaを絶賛している」と語られており、当時の有力葬儀業者や医学教育機関の名前もずらりと並ぶ。防腐効果、見た目の自然さ、保存期間の長さなどを称賛する声が多く寄せられたようだ。

 中でもとりわけインパクトがあるのは、「自殺者の顔や首の変色をBisgaで消した」という実例や、「試しに6ガロン使ってみた葬儀業者が、すぐさま50ガロンを追加注文した」というエピソード。販売業者は「明日ではなく、今注文せよ。“明日”はナポレオンを滅ぼした」と、最後に煽り文句で締めている。

死後も“魅せる男”――広告塔としての死者

 この奇怪なエピソードは、現代の感覚ではホラー映画さながらの光景に思えるだろう。だが当時は、防腐技術の進歩を讃える誇り高き成果の一例だった。死後もなお、“まるで生きている”かのような姿で広告塔となったビスガ・マンは、エンバーミングの歴史において稀に見るインパクトを残した人物となった。100年以上前のこの奇妙な物語は、死と記憶、そしてそれを留めようとした人々の情熱を現代に伝えているのかもしれない。

文=青山蒼

提供元・TOCANA

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