そして、終了後、私が見たことのない風景を目の当たりにして感動した。会場にいた700〜800人の参加者が立ち上がってスタンディングオベーションをしてくれたのだ。長い研究者生活を送ってきたが、このようなことは一度もなかったので驚きでもあった。講演後の長い質問者の列にも驚いたし、一緒に写真を撮って欲しいとの60〜70人のリクエストにも感激した。

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ランチ時間も「Meet-to-Expert」とのことで十数人の若い人たちに囲まれた。質問する人に対して答えるのは私だけなので、食事を口にする時間が限られ、結構厳しかったが、楽しくもあった。目を輝かせながら質問してくる彼女たち(2日間、男性も1、2人いたがなぜか寡黙だった)を見ていると、逆に私が刺激を受けた。

帰国する前にヨーロッパ側のイスタンブールの観光に案内され、ローマ帝国時代からの歴史を垣間見ることができた。モスクと教会が並んでいる様子やかつてのTopkapi宮殿、イスタンブールをヨーロッパ大陸とアジア大陸に隔てるボスポラス海峡など歴史と美しい景観を満喫した。食事もおいしかったし、また、訪れたい。

編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2025年5月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください