さらに、この機体にはハイブリッド推進システムが搭載されています。
後部にはガスタービンエンジンがあり、飛行中はこのエンジンがプロペラを回しながら、同時に発電機を駆動して電動ファン用のバッテリーを継続的に充電する仕組みになっています。
そのため、着陸後すぐに次の離陸が可能で、充電のために地上で長時間待つ必要がありません。
このシステムにより、最大巡航速度は約450km/hに達すると想定されています。
航続距離は予備燃料を含めて約800kmとなっています。
また、パイロット1名と乗客6名を乗せることができ、あるいは最大で680kgの荷物を積載することが可能になる予定です。
このように、Cavorite X7はeVTOLの常識を超えた性能の実現を目指しています。
都市部での空の移動だけでなく、災害現場、医療搬送、軍事用途など、過酷な条件下でも対応できる高い柔軟性も持ち合わせることでしょう。
それでは、プロトタイプが実際に変形して飛行する様子を見てみましょう。
「Cavorite X7」サブスケールプロトタイプが「世界初の飛行テスト成功」

2025年5月、Cavorite X7の大型プロトタイプはついに垂直離陸から前方への巡航モードへの完全遷移飛行に成功しました。
このテストは、実用化に向けた最も重要なマイルストーンの一つでした。
この時点で使われたのは、実寸大ではない大型プロトタイプですが、飛行中に主翼パネルがスライドし、内蔵ファンが展開・格納される一連の動作をすべて正確に実行しました。
しかも、飛行は極めて安定しており、安全面でも高評価を得ています。
この成功を受けて、Horizon Aircraftはフルスケールの有人機を建造中であり、量産と型式認証(航空当局による機体承認)に向けた準備を加速させています。