家族の幸せを願うのは当然、女性においても全く同じなのだが、女性は「家族みんなが幸せに」と考える一方で、男性の場合は「自分の手で愛する家族を幸せにしてみせる」という傾向が顕著だ。

男性は友人ネットワークが狭く、深い情緒的つながりを配偶者に集中させやすい。ゆえに「妻や子の幸福=自分の幸福」という式が女性より強く働く。ハーバード大学の研究でも、「パートナーとの関係性が男性の幸福と健康を決定づける」と発表されている。

それ故にパートナーや子供たちの幸せのためなら、積極的な自己犠牲を厭わないという感覚を持っている男性は自分を含めて少なくないだろう。筆者もいざとなれば家族を守るために、自分の命を使うことには一切の躊躇がない。

近年の脳科学では性差より個人差が大きいと再検証が進んでいるも、あくまで一般的傾向として女性が共感優位であるのに対して、男性は問題解決優位の脳の違いがあると言われている。男性にとっては自分の人生が「意味ある」と思えるときにこそ、深い幸福感を得やすいということだ。

そのため、結婚や恋人についていえば、「幸せにしてもらいたいと考えるより、幸せにしたい」と「与える側に立つ」と考える傾向が強いのだ。出会いは「一生尽くしたくなるような相手」を見つけることが幸福を左右するファクターとなり得る。

与えられた能力を活かしきる

よく「人生は配られたカードで戦うゲーム」という言い方がある通り、誰しも強み弱みがあって、それを上手に遊ぶのが人生である。

できるだけ弱みが出ないように抑える工夫を行い、逆に強みを有効活用しやすい仕事につくことが重要だろう。

この根拠の一つにマズローの自己実現欲求がある。自己実現欲求とは、承認欲求や社会的つながりを乗り越えて最も高次な欲求段階のことである。仕事や資産の成果自慢をしているようではまだ下位の段階に過ぎず、最終的に自分の能力をフル活用する人生に幸福の種子がある。