その結果、以下の3つのカテゴリーに分類されました。
適切度が高い場所:マッチングアプリ、喫茶店やバー、プライベートな自宅など
適切度が中程度の場所:ジム、オンラインゲーム、道端など
適切度が低い場所:職場、病院、葬儀、教会など
これをもとにチームは、恋愛アプローチする場所が「魅力度」や「親密度」「アプローチの内容」にどれほどの影響を与えるかを調べることにしました。
魅力的でも、場所が悪ければ台無しに
研究者たちは3つの実験を通じて、「恋愛アプローチが行われる場所」が成功率にどれだけ影響するかを検証することに。
研究1では、まず“アプローチする人の魅力度”を操作しました。
参加者たちは「魅力的な人」あるいは「そうでもない人」からアプローチを受けるという仮想シナリオを読まされ、そのうえで「この誘いを受け入れるかどうか」を評価しました。
すると「魅力的な人」であっても、病院や葬儀といった“不適切な場所”でアプローチをすると、その魅力がほとんど効果を持たなかったのです。
一方で、バーやマッチングアプリなど“適切な場所”でのアプローチでは、魅力度の影響が大きく現れました。
つまり、魅力が武器になるのは、フィールドを間違えなかったときだけだったのです。

研究2では、「アプローチする人が親しい友人か、それとも見知らぬ他人か」という違いを操作しました。
すると親しい相手であっても、不適切な場所でのアプローチはかえってネガティブに受け取られる傾向がありました。
特に女性の参加者は、不適切な場所だと、親しい友人からのアプローチに対して「友情の境界を越えてきた」と感じる可能性が高くなり、受け入れ率が下がる傾向にあったといいます。
研究3では、アプローチの内容そのものを操作しました。
たとえば、「今度、ごはん食べに行かない?」という穏やかな提案と、「今度、家に来ない?」という性的な含みのある提案では、後者が不適切な場面では極端に嫌悪されることがわかりました。