オンラインで就職面接を受けたSNSユーザーが、バグが発生した“AI面接官”の混乱ぶりを映した映像を投稿して話題だ――。
■バグった“AI面接官”による理不尽なオンライン面接
折からの人手不足の中、AIにできることはAIにやらせるのが当然ということになりつつあるが、採用において“AI面接官”を起用している企業も少なくないようだ。
TikTokユーザー名「@its_ken04」という女性がオンラインで行った就職面接がまるでサスペンスドラマのワンシーンのようになってしまったことで話題になっている。
投稿した動画では、オンライン面接で“AI面接官”が誤作動を起こし意味不明の言葉(vertical bar pilates)を何度も繰り返している様子が映し出されている。
「本当に不気味で奇妙でした」と、面接を受けた女性は書き込んでいる。
「もう怠けることも、AIに人間の仕事をやらせるのも止めてください! 本当にゾッとしました」
この投稿を見た少なくないユーザーが怒りを露わにしてコメント書き込んでいる。
「怠惰で、貪欲で、傲慢。AI面接で彼らが最初から労働者のことを全く気にかけていないことがよくわかる」(あるユーザー)
「実にディストピア的で不安だ」(あるユーザー)
女性は「404 Media」の取材に対し「本当にショックでした。私は(AIが)不具合を起こすようなことは何もしていなかったので、本当に驚きました」と自身の体験について語った。
「404 Media」の報道によると、このAI面接システムを開発したのはスタートアップ企業の「Apriora」で、同社はAI面接が応募者の不安を軽減すると主張している。このAI面接は複数の候補者を同時に面接できるため、企業の「採用プロセスを87%高速化」し「面接コストを93%削減」できるという。
同社の共同創業者であるアーロン・ワン氏は「フォーブス」誌のインタビューで「求職者は多くの場合、AIとの面接を好みます。面接官がAIだと分かれば面接の不安が軽減され、求職者は最高のパフォーマンスを発揮できるからです」と説明している。

同社では「アレックス」と呼ばれる“AI面接官”を開発しており、このAIは休憩なしで24時間体制で勤務できることも利点であるという。
しかし今回の体験談と投稿動画から“AI面接官”に不具合が起きる可能性があることがわかった。もちろんサービスの導入初期ではこのような不具合が起きるのは仕方がない側面もあり、改善を重ねながら導入が進んでいきそうな感もある。
就職面接において“AI面接官”の普及が進む先に待っているのはディストピアなのか、それとも求人と求職がきわめて効率化された労働市場なのか。暮らしにおいても仕事においても、気づけば身の回りがAIだらけになっている未来はそう遠くないのかもしれない。
文=仲田しんじ
提供元・TOCANA
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