これは、グチの仲間の身に水分が多く、鮮度落ちが早いことが理由です。加えて代表の銀色の色素であるグアニンは悪臭の原因となり、特に生では生臭みを感じてしまいやすいのです。

しかし、鮮度さえ落ちていなければ、グチ類は「生食で絶品」の魚です。水分の多い身は鮮度が良いとモチモチとしてとてと心地よい歯応えがあります。加えて旬の時期は脂が良く乗り、クログチなどは「なんちゃってノドグロ」と呼ばれることも。
底引き網で獲られたものは刺身にするのは難しいことが多いですが、定置網で獲られた活け締めもの、あるいは自分で釣ったものであれば、ぜひ刺身や寿司などで食べることをお勧めします。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>