大手証券5社の2025年3月期連結決算が16日出そろい、全社増収だった。顧客の預かり資産増加に伴う安定収益が堅調に推移したほか、企業の持ち合い解消やM&A(合併・買収)の案件引き受けも好調だった。
野村ホールディングスの純利益は前期比2.1倍と過去最高を更新。預かり資産を増やす資産管理型ビジネスが進み、ウェルス・マネジメント部門の税引き前利益は同4割伸び1708億円と11年ぶりの高水準だった。北村巧財務統括責任者は先月25日の決算会見で「安定収益への歩みを確かなものにする」と強調した。
大和証券グループ本社では、アセットマネジメント部門の純営業収益と経常利益が過去最高で、株式投資信託や投資一任型ファンドラップの販売が奏功した。SMBC日興証券も株式投信などが好評で預かり資産残高に基づく収益が伸長。SMBCグループ入りした09年以降で純営業収益が過去最高だった。
法人部門も好調だった。三菱UFJ証券ホールディングスでは大型の株式売り出し案件獲得やM&A助言業務などが寄与した。
みずほ証券は全部門で増収、経常利益が増益となったが、前期に繰り延べ税金資産を計上していた反動で純利益は減益。米国の関税政策に絡んだ個人投資家の足元の動向に関し、上野哲執行役員は16日の決算会見で「大きな混乱なく、国内株・外国株のいずれも買い越しだ」と語った。
◇証券大手5社の2025年3月期連結決算
純営業収益 純利益
野村HD 1兆8924(21.2) 3407(2.1倍)
大和証券G本社 6459( 9.3) 1543(27.0)
三菱UFJ証券HD 4110( 5.3) 504( 3.5)
みずほ証券 4004(15.8) 592(▲13.9)
SMBC日興証券 3597(14.8) 675(4.1倍)
(注)単位億円、億円未満切り捨て。かっこ内は前期比増減率%、▲はマイナス。野村は米国基準、他は日本基準、HDはホールディングス、Gはグループ
(了)
(記事提供元=時事通信社)
提供元・Business Journal
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