過去の記録と最新技術で謎に迫る
この長年の謎を解き明かすため、研究者たちは過去30年以上にわたる「ミルキー・シー」や関連する海洋生物発光現象の目撃証言を集め、初めて包括的なデータベースを構築した。さらに、これらの歴史的な報告を、現代の衛星に搭載された高感度な低照度画像システムによる観測データと照合している。
この研究(J・ハドソン、S・D・ミラー著、AGU: Earth and Space Science誌掲載)は、ミルキー・シーの発生と、エルニーニョ現象やインド洋ダイポールモード現象といった大規模な気候パターンとの間の潜在的な関連性を探求している。これにより、ミルキー・シーがいつ、どこで形成される可能性が高いのかを予測するための新たな知見が得られるかもしれない。
「ミルキー・シーは、海洋生物発光の中でも稀で、歴史的に伝説として語られてきた現象です」と研究者たちは記す。一般的に、点滅しない持続的な白い光を放ち、時には10万平方キロメートルもの広大な海域を照らし出し、数ヶ月間続くこともあるという。