さすがに白人が多いところではインドの作品の割合は下がりますが、それでもここ10年ほどはかつては全く上映されなかったインドの映画がずらっと並んでいるのです。
地元のイギリスの観客は映画のチケットや映画館内のポップコーンなどの飲食物の高騰もあり家にこもってサブスクで映画を見る人の方が増えています。
映画館に行っても以前に比べるとガラガラで、ハリウッドの最新作でも週末の午後に行っても観客が10人以下ということが珍しくありません。
しかも映画館には不特定多数の人が来るので暴力を振るわれたり不愉快な人が近くに座る可能性も高いのです。
実際イギリスの映画館では刃渡り50cmのナタや斧を持った中高生が乱闘を繰り広げたという事件が発生しています。
このような事件は私は以前自分の本「世界のニュースを日本人は何も知らない」で取り上げています。
イギリスの市街地は景気が悪いことや様々な人間が増えたこともあって治安がますます悪化しているのです。
しかも映画館もゴミだらけで清掃も行われておらず、非常に不愉快なところだらけです。椅子もトイレも壊れていて、床はゴミだらけ。どこもホコリだらけです。
そんなところで1回に1800円も払って映画を見るのは馬鹿らしくて仕方ありません。
そこで映画館にやってくるのは映画がとにかく重要な娯楽であるインド系の人々なのです。
彼らは友達や家族と連れ立って週末は映画を見るというのが娯楽のパターンです。イギリス人とは好む娯楽や時間の過ごし方が異なるのです。
映画は大画面で見たいという人が多いのでお金はかかっても映画館に来るわけです。
そして家族や友達など大人数で一緒の作品を見るという行動パターンも重要です。
中国大陸に関してもこれは似た部分があります。
イギリスや日本の人々に比べると個人主義ではなく大家族主義なので、家族や友達と連れ立って街中に繰り出して映画館に行くわけです。