また、「パートナーとどのような問題で対立したか」「その際、自分の感情や行動はどうだったか」といった質問に答えてもらい、それらのデータを詳細に分析しました。
さらに、衝突後の満足度や関係修復の成否も評価し、知的謙虚さとの相関関係を探りました。
こうした実験設計により、知的謙虚さが日常のリアルな人間関係の中でどのように機能しているかを明らかにすることができました。
知的謙虚さはパートナーとの関係性を深め、衝突を避けるのに役立つ
研究の結果、知的謙虚さは個人だけでなく、パートナーにも大きな影響を与えることがわかりました。
特に男性の知的謙虚さが高いと、男性自身だけでなく、パートナーである女性側の関係満足度も高まる傾向が見られました。
謙虚な男性はパートナーとの強い絆を感じており、パートナーからも、「親しみやすく、口論に発展することが少ない」と見られる傾向にありました。

一方で、女性の知的謙虚さは、パートナーに対しての満足度や衝突の頻度には大きな影響を及ぼしませんでした。
ただし、女性自身の認識には違いが現れました。
知的謙虚さの高い女性は、自分が衝突時により建設的にふるまっていると報告しています。
また、「パートナーが理解を示そうとしたり、妥協を試みようとしている」と信じる傾向にありました。
ただし、両者が高い知的謙虚さを持っている場合に、特別に相乗効果が生まれるわけではありませんでした。
知的謙虚さのレベルの高いパートナーが一人でもいれば関係は改善しますが、二人ともが謙虚だからといって、さらに劇的に良くなるわけではなかったのです。
研究者たちは、「自分の見解が間違っている可能性を認めること」が、恋愛関係においてより多くの満足、好意、愛情をもたらすとまとめています。
(ただし、この研究は自己報告に基づくため、今後は行動観察による客観的な検証が必要です)