そして、ゲパント系薬剤の1つに、「ウブロゲパント(ubrogepant)」があり、今回の研究ではこの薬剤に焦点が当てられました。
「首や肩のこわばり」「ギザギザの光」片頭痛の前兆とは?
片頭痛の発作には、実際に痛みが現れる前に「前兆」が現れることがあります。
よくある症状には疲労感、集中力の低下、光や音への過敏さ、首や肩のこわばりがあります。
また視野の中心あるいは周辺から、キラキラとした光のようなものが現れ、その範囲が徐々に大きくなったりします。
さらには、感覚が鈍くなったり言葉が出なくなったりする場合もあります。

このような前兆には個人差がありますが、しばらく続くことが多く、その後ズキズキとした片頭痛が生じます。
これらの前兆は、頭痛が起きることを知らせる「サイン」として認識されており、患者たちを大いに悩ませてきました。
しかし、これまで前兆の軽減に焦点を当てた治療法はほとんどありませんでした。
たとえ、前兆の期間に服用するよう作られた薬であっても、その目的は、前兆における症状を軽減ではなく、片頭痛の予防でした。
前兆の症状に対する薬剤の効果は、十分に検証されてこなかったのです。
そこで今回、研究チームはウブロゲパントが前兆が生じた段階で服用された場合、どの程度その症状を軽減できるかを検証することにしました。
研究には片頭痛の前兆を自覚できる18歳から75歳の患者438名が参加し、患者自身が前兆を感じた時点で、薬を100mg服用する方法で試験が行われました。
ちなみに、いずれの参加者も前兆が生じた時点で、「頭痛が1〜6時間以内に来る」と確信していました。
この研究で参加者は、一定期間を空けて、偽薬(プラセボ)とウブロゲパントの両方を試しています。
では、結果はどうなったでしょうか。