■原因は「ぶっ飛んだトイレ利用をした男性客」

当該ポストの投稿から2日後、トイレからは件の張り紙が撤去されたという。やはり店側もピクトグラムと張り紙の内容の矛盾に気付いたようで、実際は男性の車椅子ユーザーも利用できるようだ。

なお、対応してくれた店員に丹生坂さんが話を聞くと、「女性専用」の張り紙が掲出された背景としては、「ぶっ飛んだトイレ利用をした男性客がいた」ことから行われた措置であったと判明している。

「女性専用」バリアフリートイレに車椅子男性が絶望 「あり得ない」「差別でしょ」と波紋
(画像=『Sirabee』より引用)

今回の件を受け、「たかがトイレが使えなかっただけでは…」と感じた人もいるかもしれないが、その考えは大きな誤りだ。

丹生坂さんは「車椅子を利用している人にとって、バリアフリートイレは『使えなければ困る』ではなく、『使えなかったら終わり』というレベルの存在です。特に都市部ではトイレの数はあっても、使えるものが限られているため、選択肢が一つ塞がれただけでも大きな打撃になります」と力説。

続けて「私自身、見た目では分かりづらい体調の波がある障害を抱えており、いつでも歩けるわけではありません。必要なときに安心して使えるトイレがあるかどうかは、外出そのもののハードルに直結します。今回のようなケースは、すぐにでも体調を崩すような方や、ストーマを使用している方など、『見えない事情』を抱えた方にとっては、深刻な問題だと思います」と、バリアフリートイレの重要性について語ってくれた。

店舗側は誤解を招かないような表記を徹底すること、そして改めて書くような内容ではないのだが…利用者側は「トイレを正しい形で利用すること」が、求められている。

今回のケースは、これら2点の弊害によって生じたアクシデントと言えるだろう。