お風呂やプールに長く入っていると、指先がシワシワになります。
誰もが一度は経験したことがあると思いますが、では、そのシワシワ模様をよく見たことがあるでしょうか?
指のシワシワは毎回バラバラなのかと思いきや、実はそうではないようなのです。
米ビンガムトン大学(SUNY-BU)の最新研究で、指先のシワシワは毎回同じパターンになることが実験で明らかになったのです。
人それぞれに、指の下に隠された別の指紋があるのかもしれません。
研究の詳細は2025年2月17日付で学術誌『Journal of the Mechanical Behavior of Biomedical Materials』に掲載されました。
目次
- 指のシワは「個人の指紋」のように再現されていた
- 指のシワは「進化の賢いデザイン」だった⁈
指のシワは「個人の指紋」のように再現されていた
これまで、指を水に長時間浸すとできるシワ模様は単なる偶然の産物と思われてきました。
しかし今回、ビンガムトン大学の研究チームは、シワのパターンが個人ごとに非常に安定していることを確認しました。
実験では、被験者の指を30分間水に浸した後にシワのパターンを高解像度で撮影し、24時間以上の間隔を置いて同じ手法で再試験を行いました。
その結果、2回のシワパターンは高い一致率を示し、個々の血管の配置がシワの形状を決めていることが明らかになったのです。

血管は多少動くものの、他の血管との相対的な位置はほぼ変わらないため、結果としてシワも毎回同じ位置・形で形成されていました。
さらにもう一つ、興味深い発見がありました。
指の中を通っている正中神経(median nerve)が損傷している被験者ではシワができなかったのです。
これはシワの形成が自律神経系によって制御されていることを強く示唆しています。