
ゴールデンウィーク明けの5月11日にも関わらず、国立競技場に5万9,574人が詰めかけたJ1リーグ第16節の川崎フロンターレと鹿島アントラーズの一戦は、鹿島が2-1で勝利した。川崎は前半に先制したものの追加点を奪えず、前半アディショナルタイムと後半20分に失点し逆転負けを喫した。
今2025シーズン鹿島を指揮するのは、昨2024シーズンまで8シーズンにわたり川崎を率いていた鬼木達監督だ。2017年のクラブ初タイトルを含め、国内主要タイトルを7つ(J1で4つ、ルヴァン杯、天皇杯、富士フイルムスーパーカップ)もたらすなど川崎の黄金期を築いた名将である。今シーズンから鹿島の指揮を執り、この試合が古巣との初対戦となった。
試合後、敗戦した川崎サポーターからはネット上に川崎の選手に対する厳しい評価が目立った。FW家長昭博の遅攻は手詰まりで、最近は絶望的と感じるサポーターもいる。また、負けている状況にもかかわらず、後方でのボール回しに時間を費やす戦術に疑問を呈する声も。きれいなパス回しができても得点につながらず、ゴール前では必ず奪われてしまうという指摘だ。
また、川崎の選手が自らの能力を過信しているのではないかという懸念や、試合終盤はパスを繋ぐより、縦パスでラッキーゴールを狙う方が可能性は高いとの見解もあった。
今シーズンから川崎の守護神を務めるGK山口瑠伊については、トップレベルのGKを獲得しなければ優勝争いは厳しいとの見方や、GKは他のポジションよりも選手の実力差が顕著に表れていると、暗に山口への批判とも取れる指摘も見られた。
川崎ファンとしては長谷部茂利監督のもとJ1でここ6試合勝星がないことに加え、昨シーズンまでの鬼木監督が、他チームの監督として勝利を収めたことへの複雑な思いもあるだろう。
一方で、試合内容を冷静に分析する声もあり、相手のホームでの判定に中村太主審への不満を持ちつつも、決定的な場面で確実に得点できていれば結果は違ったはずだとの意見も見られた。川崎にとって鬼木元監督との対決は、自チームの課題を改めて浮き彫りにした試合となってしまったようだ。