まるでSF映画のワンシーンのようだ。中国のロボットメーカーUnitree社の人型ロボット「H1」が訓練中に突如として暴れ出し、作業員に襲いかかるかのような映像がX(旧Twitter)に投稿され、波紋を広げている。
この映像は、訓練中の監視カメラ映像によって撮影されたとされており、同社が「汎用人型ロボット」と銘打つH1が、クレーンからケーブルで吊り下げられた状態で、突如として激しく腕を振り回し、2人の作業員に向かっていく様子が映し出されている。作業員の一人がクレーンを引き戻し、ロボットが宙に浮いた状態になると、ようやくその動きを止めた。
期待と現実のギャップ? Unitreeロボットの不安定な挙動
Unitree社のプロモーションビデオでは、同社のロボットが走ったり、カンフーをしたり、ダンスをしたりと華麗なパフォーマンスを披露している。しかし、現実世界での彼らの動きは必ずしも期待通りとはいかないようだ。
先月北京で開催された「ヒューマノイドロボット・ハーフマラソン」では、Unitree社のロボット2体(G1とH1)が非公式ながら参加したが、G1はスタートラインでいきなり転倒し、人間の介助が必要になるというハプニングがあった。Unitree社は、これらの失敗を「トレーニング不足」のせいにしている。
また、今年初めに開催されたフェスティバルでは、Unitree H1が観衆に突進し、観客に頭突きをしそうになる寸前で引き戻されるという出来事もあった。ロボットが人間に危害を加える光景は、まさにディストピア的な雰囲気を漂わせる。
これらの「攻撃」は、ロボットの反乱ではなく、ほぼ間違いなくコーディングやセンサーのエラーに起因するものだろう。しかし、ロボットが一般社会に解き放たれるにつれて、対処すべき正当な安全性の懸念が依然として存在することは確かだ。
