出光興産の酒井則明社長は時事通信のインタビューに応じ、電気自動車(EV)向け次世代電池として期待される全固体電池の材料事業を強化する考えを示した。7年ぶりのトップ交代で4月1日付で就任した酒井氏は、国内外の自動車メーカーと連携を見据えた協議を進めているとした上で「取り組む方向性が合えば一緒にやっていく」と表明した。

 全固体電池は、従来の電池に比べて充電時間が短く、航続距離が長いなど利点が多いとされる。出光は石油製品の製造過程で発生する硫黄成分を活用し、同電池の材料となる「固体電解質」の2027年以降の供給を目指す計画だ。

 トヨタ自動車とは既に、全固体電池を搭載したEVの実用化に向け協業している。酒井氏は「固体電解質をつくる大型装置は、今年度中に(投資の)意思決定をしたい」と説明。さらに「国内外の自動車メーカーが全固体電池を搭載したEVを世に出すことを考えている。他のメーカーとも(連携を)検討しているのは事実だ」と述べた。

 脱炭素化の流れで石油製品の需要が減少する中、製油所の在り方については「脱石油の動きのスピードが数年前に比べて緩んだ。製油所を本当に減らして良いのか(26年度に始まる)次の中期経営計画で検討したい」とした。給油所に関しては「今の6000カ所を減らしたくはない。石油製品を販売する所は少しずつ減るかもしれないが、(車への水素や電気の供給といった)給油以外のサービスは地域に必要な拠点として残っていく」と強調した。(了)
(記事提供元=時事通信社)

提供元・Business Journal

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