続いて、各経済活動における国内総生産(Value added, gross)に対する比率でも比較してみましょう。

図4 固定資本減耗 対国内総生産比 卸売・小売業OECD Data Explorerより

図4が卸売・小売業における固定資本減耗 対国内総生産比の推移です。

日本は1990年代からかなり高い水準が継続しています。

アメリカは金額では日本より高いですが、対国内総生産比だと主要先進国で中程度のようです。

イタリアが2010年代に低下傾向となっているのも印象的ですね。

4. 対国内総生産比の国際比較

最後に、対国内総生産比の国際比較をしてみましょう。

図5 固定資本減耗 対国内総生産比 卸売・小売業 2022年OECD Data Explorerより

図5が2022年の固定資本減耗 対国内総生産比の国際比較です。

日本は11.7%で、OECD30か国中6位、G7中1位となっています。

日本の卸売・小売業では固定資産への投資が相対的に大きい事になります。

5. 卸売・小売業の固定資本減耗の特徴

今回は経済活動のうち卸売・小売業の固定資本減耗について着目してみました。

卸売・小売業は多くの労働者が働く規模の大きな産業です。

店舗や倉庫、車輛など一定の資本(固定資産)の蓄積も必要な経済活動ではありますが、日本では相対的にかなり高い水準に達しているようです。

今後自動化が進んでいく中で、セルフレジの普及や、倉庫管理の自動化などもあり、資本で付加価値を稼ぐ割合が増えていくかもしれませんね。

皆さんはどのように考えますか?

編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2025年5月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。