情報社会へのインパクトも大きい
実用化に向けてた取り組みは、どのようなステータスなのか。
「我々が開発しているパワー半導体の寿命は約5カ月半で、それだけ長期間動かしても壊れないという技術はすでに確立できており、2026年度にはサンプル出荷する見込みとなっています。その意味では、実用化の一歩手前のところまで来ています。
普及に向けた課題としては、コスト面があげられます。ダイヤモンドのウエハーは世の中にまだないので、つくる必要がありますが、我々は大口径のダイヤモンドウエハーをつくる技術を開発しており、共同研究している企業では5cmのものまでできており、またコストも下げていけると考えています。ただ、シリコンのウエハーは30cm、45cmのものがあり、それに比べるとダイヤモンドウエハーはまだ小さく、コスト面は課題になると考えています。また、ダイヤモンドの素子は実験室では動いていますが、市販する際にはモジュール化などが必要になってきます。前工程の生産体制は概ね確立できましたが、後工程はこれから確立していく必要があります。
今後、Beyond 5Gや6Gなど、より高い周波数の電波、高出力の電波が求められてくるなか、現状では真空管が使われている電波を飛ばす機器をダイヤモンド半導体に置き換えることができれば、無線通信でスマホで大容量の動画を見れるということにもつながってきます。そういう情報社会へのインパクトもあると考えています」
(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=嘉数誠/佐賀大学教授)
提供元・Business Journal
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