ジョルジェスク氏はロシアのプーチン大統領を「国を愛する男」と称賛し、ウクライナを「敵対国家」と呼び、北大西洋条約機構(NATO)に批判的な姿勢を強調するなど、親ロシア的な立場を明確にしてきた。また同氏は反ユダヤ主義者を英雄視する発言を繰り返しており、極右的な思想の持主と受け取られてきた。同氏はAURに参加していたが、2022年に離党している。今回第一位となったシミオン氏の支持層はジョルジェスク氏と重なる。シミオン党首は自身が当選すればジョルジェスク氏を首相に任命すると約束し、同氏の票を吸収することに成功している。
なお、ルーマニア当局は4日、政府、内務省、憲法裁判所、外務省のウェブサイトがDDoS(分散型サービス拒否)攻撃によって一時的に麻痺したという。また、同国外務省は「ソーシャルネットワーク上で大規模な偽情報キャンペーンが展開されている」と警告した。このキャンペーンは主に海外在住のルーマニア人をターゲットにしていたという。

dem10/iStock
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年5月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。