「かもしれない運転」という言葉があるように、安全運転には危険予測が欠かせません。一方で、「優先道路なのにやたらと譲る」など、慎重すぎる運転が周囲の流れを乱してしまうケースも考えられます。
今回はドライバーの方々に、「慎重すぎてかえって危険な運転」を目にしたエピソードを聞きました。
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「来るの? 来ないの?」長尺ウインカー車の恐怖
落ち度は全然ないけれど…
「来るの? 来ないの?」長尺ウインカー車の恐怖

周囲の車に自分の意図を伝えるうえで、「早めにウインカーを出す意識」は非常に大切です。しかしウインカーを出すタイミングは「交差点の30m手前、車線変更の場合は3秒前」とされており、ここから逸脱してしまうと、周囲の混乱を招くこともあるでしょう。
「通勤ルートでちょくちょく時間が被る車のなかに、やたらとウインカーを出すのが早い車がいます。曲がるときは交差点の50m以上手前から出しているんじゃないかな。
私はもう慣れましたが、手前にもう1つ交差点があってもお構いなしで出しちゃうので、どこで曲がるのか初見だと全然読めないんですよ。
車線変更のときも酷くて、ウインカーを出したまま6、7秒まっすぐ走るんですよね。いや、ウインカーを出す前にある程度状況は把握してくれと。見かけるたびに、その車の周囲には『え、来るの? 来ないの?』みたいな、困惑したような空気が流れていますよ」(50代男性)
どれだけ慎重な運転であっても、交通ルールからかけ離れてしまうと、かえって危険な状況を招く可能性もあるでしょう。いくら「早め」といっても早ければいいわけではなく、安全のためには「適切なタイミング」が大切です。
落ち度は全然ないけれど…

初心者の頃などは、事故を防ぐために「行けそうか迷ったら止まっておく」という判断をすることもあるでしょう。それにより運転にも余裕が生まれるため、無理をしない意識は非常に大切です。
一方で、公道を走るドライバーにはさまざまな性格の人がおり、上のような運転に苛立ちを覚えるドライバーもいるかもしれません。
「片側2車線の右側を走行中、交差点の先が少し詰まっており、私の前にいた車が交差点に入る前に止まりました。
ただ詰まっているとはいえ、先に進んでも2台くらいは入れそうなスペースが空いていましたし、何より先の方の車は動きはじめていたので、『自分だったら進むけど……ずいぶん慎重だなぁ』と思っていたんです。
それで、左の車線の方は割と空いていたので、私の後ろの車が待ちかねて左側に移り、先に進もうとしたんですよね。ちょうどそれが、対向の右折車が曲がりはじめたタイミングで……。
次の瞬間、クラクションが鳴り響き、右折車がギリギリのところで止まりました。
もちろん悪いのは交差点直前で車線変更した車と、あまり確認せず右折しはじめた車でしょうけど、行けるときに行っておかないと、危ない状況になっちゃうこともあるんだと思いましたね」(40代女性)
上のお話にもあるように、仮にここで右直事故が発生していたとしても、事故の責任は直進車と右折車の2台だけが負うことになるでしょう。待っていた車に落ち度はなく、「行けるのに行かないこと」は責任の対象とはなりません。
一方で、交通事故のなかには道路上のさまざまな要因が複雑に絡み合って発生するものもあります。焦って操作を急ぐ必要はありませんが、周囲の状況にいつも気を配り、流れを読んだ運転をすることも大切なのでしょう。