チヌは春の海釣りにおいて、比較的イージーなターゲットである。ノッコミという産卵のパターンがあり、よく釣れる。チヌは春になると産卵を控え、餌をよく食べるようになる。

なんといってもその魅力は、強烈な引き味だ。頭をゴンゴンと叩くチヌのアタリと強い引き込みは、一度味わうと癖になる。
アオリイカ
アオリイカは春の釣りの中でまた趣を異にするターゲットである。エギという特殊なルアーを使って狙っていく。春になると、アオリイカは産卵のために浅瀬に接近する。大型が多いのが特徴だ。
食味も抜群。釣りの難易度は上述の魚種と比べると高いが、うまく釣ることができれば、達成感は格別である。
「海の目覚め」を感じよう
春の陸っぱり海釣りは、海の「目覚め」を感じることができる特別な季節である。それまで低水温の中まったく無反応だった魚たちが、陽気に誘われるように動き始める。
冬から居残ったカレイ、その他上に述べたメバル、アジ、シーバス、チヌ、アオリイカなど、春に狙うべき魚種は多岐にわたる。それぞれの魚には独特の魅力があり、釣り方や楽しみ方も様々だ。

人間にとっても春は心地よい季節である。これから初夏に向かい、じわじわと暑くなり始めると、今度は新子のカサゴやその他の根魚もホットな反応を示してくれる。暖かい時期は、酷暑期を除いてとにかく魚の活性が基本的に高いので、人間のほうでも「釣りの目覚め」を感じる時期ともいえるだろう。
欲張らずに一魚種ずつ狙っていこう
春の釣魚は、すべてをひとつの竿で狙えるわけではない。たとえば、アオリイカとメバルでは、まったくタックルの世界観が変わってくる。また一日に多魚種を狙おうとすると、どうしても一つ一つの釣りが大味になってしまい、釣果も伴わない。
それぞれの魚との戦いに勝つためには、ターゲットを絞って釣っていくことが大切だ。欲張らず、魚種ごとに一日ずつやることが、春の海釣りをより充実させる。