ともに核を保有する国、インドとパキスタン。両国の間には長年の対立があり、緊張が高まるたびに世界は固唾をのむ。もし、この両国間で全面的な核戦争が勃発したらどうなるのか? ある教授が、その衝撃的な予測を科学モデルに基づいて発表し、警鐘を鳴らしている。その結論は「人類のほぼすべて、99%が破壊され、生存は絶望的」という、まさに悪夢のようなシナリオだ。

燻り続ける火種:一触即発の印パ関係

 インドとパキスタンは、外交関係のレベルを引き下げ、重要な条約の停止を示唆し、互いの国民を追放するなど、近年関係が悪化の一途をたどっている。特に2019年、カシミール地方でインド兵40人が死亡した自爆テロ事件以降、その溝は深まるばかりだ。インドはパキスタンを非難し、パキスタンはこれを否定。互いに不信感を募らせている。

 インド側は限定的な軍事攻撃の可能性を匂わせ、対するパキスタンも軍事的対応をとると明言。両国ともに長年にわたり核兵器を増強してきたが、その本来の目的は戦争を始めることではなく、抑止することにあるはずだった。しかし、一度歯止めが効かなくなれば、その結末は計り知れない。

食い違う核ドクトリン:引き金はいつ引かれるのか  両国の核兵器に対する考え方には違いがある。インドは「先制不使用」ポリシーを掲げ、自国や自軍が核攻撃を受けた場合にのみ、核兵器で報復するとしている。

 一方、パキスタンは「フルスペクトラム抑止」と呼ばれる戦略をとる。これは核の脅威だけでなく、より強大で裕福な隣国インドからの通常兵器による攻撃に対しても、戦術核兵器(小型の核兵器)を使用して対抗することを目指すものだ。この方針の違いが、偶発的な衝突から核戦争へとエスカレートするリスクを高めているのではないかと懸念されている。

シミュレーションが示す地獄絵図:「核の火災嵐」と50億人の餓死  もし、印パ間で全面的な核戦争、つまり核兵器の撃ち合いが始まったらどうなるのか? 前述の教授(匿名)がロシアのテレグラムチャンネルで共有したシミュレーションは、身の毛もよだつ未来を描き出している。

 問題は核爆発そのものよりも、それが引き起こす「核の火災嵐(ファイアーストーム)」だ。大都市が核攻撃を受けると、凄まじい火災が発生。熱せられた空気が煙とともに急上昇し、周囲から冷たい空気を竜巻のように吸い込む。この暴風がさらに炎を煽り、燃えうるものすべてを焼き尽くす。ガラスや金属は溶け、アスファルトは燃える液体と化すという。これは、かつて広島を襲った原爆が引き起こした現象と同様だ。

 ニューデリーのような巨大都市が火災嵐に見舞われれば、広島の100倍もの人口を抱えるだけに、桁違いの量の「炭素すす」が発生すると予測される。このすすの噴煙は成層圏、つまり雨雲よりもはるか上空にまで到達するため、雨で洗い流されることなく太陽光を遮断し続ける。いわゆる「核の冬」だ。

 その結果、地球規模で食糧生産が壊滅的な打撃を受け、50億人以上が餓死する可能性があるという。これには、アメリカ人、ロシア人、ヨーロッパ人、そして中国人の約99%が含まれると試算されている。

インドとパキスタンの核戦争で人類99%が消滅!? 教授が警告する「火災嵐」と「核の冬」、生き残る術はあるのか?
(画像=イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI),『TOCANA』より 引用)