2025年3月、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで、ウクライナ出身の若きインフルエンサーが失踪後、凄惨な状態で発見される事件が発生した。被害者はマリア・コバルチュクさん(20歳)。彼女はSNS、特にOnlyFansでの活動で知られていた。3月9日にドバイ市内のホテルで開催されたパーティーに参加した後、消息を絶った。
失踪から10日後の3月19日、マリアさんはドバイの路上で発見された。しかし、その状態は極めて深刻であった。両腕、両足、そして脊椎を含む全身10か所以上の骨が折れ、体は血にまみれていた。直ちに病院へ搬送され、複数回の手術を受けたものの、発見からしばらく経った後も意識は回復せず、後に意識を取り戻したが、依然として話すことができない重篤な状態が続いている。
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警察発表は「事故」― しかし拭えぬ疑惑
ドバイ警察当局は、本件に関する調査の結果、マリアさんが立ち入りが制限された建設現場に一人で侵入し、高所から転落した「事故」であるとの公式見解を発表した。警察は「確認されていない情報の共有を控え、個人や家族のプライバシーを尊重してほしい」と呼びかけ、事件性を否定する姿勢を示している。
しかし、この発表に対しては、多くのメディアや人権専門家から疑問の声が上がっている。最大の理由は発見時のマリアさんの負傷状態である。単なる転落事故では説明が困難とされる、鋭利な刃物による切り傷や性器の裂傷が確認されているとの情報もある。これらの事実は彼女が何らかの暴力行為や虐待を受けていた可能性を示している。