中国は石炭火力発電も諦めてなどいない。中国では、2023年の1年間だけで石炭火力が47.4GW(=4,740万kW)も新規に運転開始した。さらに同年、中国は94.5GW分もの石炭火力に新たに着工している※1)。

インドも同じ道を歩む。政府計画では35 GW超の石炭火力が開発中で、昨年だけで複数の大型発電所が着工した※2)。温室効果ガス削減より、14億人の電力需要と経済成長が明らかに優先されている。 世界全体の石炭消費も2023年に86億トンと過去最高を更新した※3)。

世界の60%の排出を占める5大排出国は、どこも脱炭素などしていない——例外は、2.6%を占める第5位の日本だけである。

※1)Global Energy Monitor “Boom & Bust Coal 2024” China section ※2)Global Energy Monitor “Boom & Bust Coal 2024” India section ※3)International Energy Agency “Coal 2024 – Analysis and forecast to 2026”

『データが語る気候変動問題のホントとウソ』