World Networkとは

 Worldは、Worldcoinなど一連のWorldプロジェクトを展開する。2024年10月にリブランディングを行い「リアルな人々のネットワーク」を標榜する。2019年に設立され、米サンフランシスコと独ミュンヘンに拠点を置くTools for Humanityが開発しており、創業者にはChatGPTで時代の寵児となったOpenAIのCEO、サム・アルトマン氏も名を連ねる。World Networkは「すべての人にIDを。金融インフラ、そしてコミュニティを。」というキャッチコピーのもとにサービスを展開する。AIボットなどの進歩により、今後はインターネット上でAIと人間の識別がますます難しくなってくることが見込まれる。このデジタル・アイデンティティの問題を解決し、ゆくゆくはユニバーサル・ベーシック・インカムを提供するシステムに発展させることを意図しているといわれている。

 イーサリアムといった既存のブロックチェーン技術を有効活用する一方で、AIの視点が色濃く入っているのが特徴だ。「World」(世界)というブランディングからして野心的だ。世界中でテクノロジーのインフラになることを目指しており、既存の金融システムの恩恵を受けられない層が多く残る開発途上国などで積極的にプロモーションを行っている。World Appは、25万以上ダウンロードされており、ネットワークアクセスをタイ、インドネシア、フィリピンにも拡大。

 テクノロジーを開発する一方で、人間中心主義を推し進めているのが興味深い点だ。AIサービスを次々とリリースしてAIを熟知しているからこそ、その先々で人々や社会が直面する問題を察知し、先回りしてソリューションを開発しているようだ。自分たちのサービスで世界を変えることで、また新たなニーズを生み出している。

 これまでにリリースされた主な機能には次のようなものがあり、相互に関連しあってサービスを充実化させている。

・Worldcoin
 ブロックチェーン技術を用いた分散型のデジタルトークン。

・World ID
 生体認証デバイス「Orb」で虹彩をスキャンして本人確認を行い、AI時代の「本物の人間」を匿名で証明する。

・World App
 World IDやウォレットへアクセスできる独自アプリ。

・World Chain
 既存のブロックチェーン技術(イーサリアムなど)を活用し、高速で低コストな取引を可能にする人間のためのブロックチェーン。

(文=Takuya Nagata/作家、社会開発家、テクノロジー・エキスパート)

サム・アルトマンのWorldが重大発表…World Cardが金融に革命か
(画像=会見会場には世界中から主要メディアが集まった,『Business Journal』より 引用)

提供元・Business Journal

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