発掘へ向けた慎重なステップ「非破壊調査」を優先

 これらの発見を受け、研究チームはついに遺跡の発掘という次のステップへ進むことを決意した。しかし、彼らは極めて慎重な姿勢を崩していない。この歴史的な大発見となる可能性を秘めた遺跡を保護することが最優先事項だからだ。

 研究リーダーのアンドリュー・ジョーンズ氏は、「この場所は活発な地すべり地帯にあり、冬の気候も厳しい。そのため、遺跡の保護が最優先だ」と語る。「今後数年間、トルコの大学パートナーと共に、土壌サンプリング、レーダー探査、その他の非破壊検査を実施し、我々が検出した構造物が本当に人工物なのか、それとも単なる自然の造形なのかを判断する。十分な証拠を集め、適切な保存計画が立てられて初めて、発掘を検討することになるだろう」。

 現時点では、「ボートサイト」と呼ばれる遺跡本体での作業はまだ始まっていない。物理探査、コアボーリング(地層サンプル採取)、そして綿密な計画策定など、掘削開始までにやるべきことは山積みだ。

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(画像=画像は「LADbible」より,『TOCANA』より 引用)