冒頭のNews欄にはAIを利用した場合には、透明性をもって正直に書くべきだと強く主張していたが、もちろん、推薦状に生成AI作成とは書かない。
学生がレポートを、人工知能を使って作成し、教授が人工知能を使ってそれを採点するという漫画的な世界がそこまで来ている。実力を調べるには、教室で監視下にレポートを書かせる、あるいは、対面で口頭試験をして学生を評価するというアナログな世界に戻るしかない。面倒くさい世の中になってきたものだ。
人工知能をどのようなルールで利用していくのか、もっと議論があってもいいと思うが、アナログの時代を生きてきたわれわれと、デジタルの時代を生きてきた若者たちとは、価値観が大きく異なる。答えは見つからないが、人を鍛え、育てることがだんだんと難しくなってくる。
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編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2025年4月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。