「これは……無理かも?」

そんな声が聞こえてきそうな、ちょっと珍しい瞬間がカメラに収められました。

2025年4月20日、米コーネル大学が運営する野鳥観察用のカメラで、オスのアメリカフクロウが、メスのために小さなカメを巣箱に運び込む場面が捉えられたのです。

巣箱に届けられた「カメのおやつ」は、巣を観察してきた12年以上の記録の中でも初めての出来事でした。

果たして、メスのフクロウはカメを呑み込むことができたのでしょうか?

目次

  • あらゆる獲物をハントする「アメリカフクロウ」
  • カメを丸呑みできたのか?

あらゆる獲物をハントする「アメリカフクロウ」

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アメリカフクロウ/ Credit: ja.wikipedia

アメリカフクロウ(学名:Strix varia)は主に森林性のフクロウで、周辺の開けた場所を狩り場とします。

基本的に日中は樹上で休息し、夜になると狩りに出かけたりします。

食性は動物食で、小型哺乳類から鳥類、カエル、カニ、昆虫類など、あらゆる獲物を捕食します。

主に枝にとまって待ち伏せし、獲物を見つけると飛び出して捕らえるのが彼らのハンティングスタイルです。

その一方で、巣の中で子育てをするメスは狩りに行く暇がないので、パートナーのオスが代わりに狩りをして、餌を巣に届ける習性があります。

そしてこのほど、米コーネル大学が12年以上にわたって運営する「ワイルドバーズ・アンリミテッド アメリカフクロウカム」に驚くべき光景が撮影されました。

なんとオスのフクロウがメスのために持って帰ってきたのは「カメ」だったです。

さすがのフクロウも頑丈なカメは食べられないのではないでしょうか?

カメを丸呑みできたのか?

一般にはあまり知られていませんが、フクロウにはちょっと変わった食べ方の戦略があります。

柔らかい食べ物ならそのまま丸呑みするのですが、消化できない骨やクチバシなどは、獲物を一度丸呑みして消化できる部分だけ食べたあと、硬い部分をまとめて塊にし、吐き出すのです。