墜落直後の絶望と、打ち切られた捜索
墜落の衝撃と直後の混乱で12名が死亡。機内は負傷者で溢れかえり、夜には気温が氷点下30度以下にまで下がった。最初の夜だけで、さらに5名が命を落とした。
生存者たちは雪の中で白い機体は見えにくいだろうと考え、SOSの文字を書いたり、スーツケースで十字架を作ったりして救助隊にアピールしようと試みた。上空を飛行機が通過する音を聞き、姿を見たこともあったが彼らが発見されることはなかった。わずかな望みだったトランジスタラジオからは、遭難11日目にして捜索活動が打ち切られたという非情なニュースが流れた。悪天候と生存可能性の低さから、当局は雪解け後の捜索に切り替えたのだ。しかし、この実話における絶望は、まだ始まったばかりだった。

(画像=墜落現場 画像は「Wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)