■恐ろしくも美しい緑色
ヒ素は強い毒性を持つ物質の一つで、中世から暗殺用の毒や殺鼠剤として知られていた。その一方、ヒ素を含む顔料が19世紀のヨーロッパで鮮やかさと退色のしにくさから人気を集めるようになった。ヒ素は経口摂取のみならず、皮膚接触や気体の吸入でも重篤な中毒症状を起こす。ヒ素を含んだ緑色の顔料は「パリ・グリーン」や「エメラルド・グリーン」の名で人気を博していたが、色鮮やかな美しい壁紙やドレスが、ひっそりと多くの人々の命を奪っていったのである。

(画像=パリ・グリーンを使った壁紙。画像は「HYPERALLERGIC」より引用,『TOCANA』より 引用)

(画像=パリ・グリーンを使った壁紙。画像は「HYPERALLERGIC」より引用,『TOCANA』より 引用)
デンマークの古書に使われていた塗料は、装飾目的ではなく害虫から本を守るために使われていたとみられる。大学図書館では同書を1冊ずつダンボールに入れ、換気の行き届いたキャビネットで警告を表示した上で保存しているという。中身の閲覧をしやすいよう、デジタル化も計画しているそうだ。
読むと死ぬ本、その表紙に図らずも仕込まれていた毒は、恐ろしくも美しい緑色であった。
提供元・TOCANA
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