
アルゼンチン大統領に就任したミレイ氏 同氏インスタグラムより
1、2か月前のブログに書いたと思いますが、日本の高度成長はアジアの萌芽を先取りしたことが大きかったと考えています。欧米が不得手な改善、改革、低価格、高品質のポテンシャルはアジア全般に持ち合わせている強みですが、たまたま日本がその先行者であり、先行者利益を得られたことは大きかったのです。故に韓国や中国が追い付いてくると日本の強さは色あせ、更に東南アジア勢が今後、加速度的に迫ってくるのです。これは避けられないでしょう。
その点では欧州のギリシャやイタリア化すると言った方がよいのかもしれません。特にイタリアと日本は似ているところが沢山あります。観光、美食、ファッション、センス、プライド。もっと言うなら首相がよく変わる点もそうでしょう。
「街は西に進む理論」を当てはめても歴史的に欧州ではギリシャ、イタリアからポルトガル、スペイン、英国と常に西に動いて行きました。アジアでも日本から韓国、中国、インドと西に動いています。
では日本がアルゼンチン化しないためにはどうしたらよいのか、ですが、私はステージをアジアから世界基準に変えるしかないのだろうと思います。つまりRe-Born(生まれ変わる)に近い改革が必要ではないかと思います。それは企業の商品開発力とか経営力ということよりも国家レベルでの変化を推進させるしかないのでしょう。
しかしそのハードルは高いし、それが必ずしも国民を幸せにするかどうかも定かではありません。先ほども触れたようにアルゼンチンは100年も下向きなのに人々は明るいのです。とすればクズネッツが今、生きていたらこんなジョークを飛ばすかもしれませんね。
「世界には2つの国がある。幸福を得たか、幸福をまだつかんでいないか」と。日本もアルゼンチンも幸福なんだろうと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年12月18日の記事より転載させていただきました。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
【関連記事】
・「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
・大人の発達障害検査をしに行った時の話
・反原発国はオーストリアに続け?
・SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
・強迫的に縁起をかついではいませんか?