AMOCの変化をどう予測するか?
今回の研究では、気象庁のチームが34種類の気候モデルを使用し、温室効果ガスの増加や海面上昇がAMOCに与える影響を分析した。その結果、AMOCは確実に弱体化するものの、今世紀中に完全に崩壊する可能性は低いという結論に至った。
しかし、UCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)のデイビッド・ソーナリー教授は、「AMOCの崩壊は、単に寒冷化を引き起こすだけでなく、異常気象を増加させる。寒波だけでなく暴風雨や洪水も増えるため、社会全体が影響を受ける」と指摘する。
AMOCが崩壊すれば、世界の気候は現在とは全く異なるものになる。しかし、研究によれば、南半球の強い風が深海から水を引き上げるポンプのような役割を果たし、AMOCをある程度維持しているため、すぐに崩壊することはないと考えられている。
それでも、気候変動が進めばAMOCの弱体化は避けられず、世界中の気候に影響を与えることは確実だ。エクセター大学の気候科学者ジェフ・ヴァリス教授も、「AMOCが崩壊しないからといって、気候変動の脅威が軽減されるわけではない」と警鐘を鳴らしている。
現在の研究では、AMOCの完全な崩壊は今世紀中には起こらないとされているが、その弱体化がもたらす影響はすでに現れ始めている。
映画のような世界的な大災害は避けられるかもしれないが、今後の気候変動による影響を軽視すべきではないだろう。極端な寒冷化、異常気象、農作物への打撃、さらには大規模な環境変化による社会不安——こうした未来が、ゆっくりと、しかし確実に迫っているのかもしれない。
提供元・TOCANA
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