「すずらんの日」の由来

「すずらんの日」はどこから来た記念日なのでしょうか?
フランスの風習「jour de muguet」から
「すずらんの日」はフランス発祥の習慣「jour de muguet」にちなむ記念日となります。
「jour de muguet」はフランスに古くから伝わるイベントです。
現地ではこの日になると大切な人にすずらんを贈るという伝統があるのだとか。
その風習が日本にも伝わってきたと考えられています。
由来となったのはフランス王シャルル9世へのプレゼントから
16世紀頃、ヨーロッパですずらんの栽培が始まります。
それと同時にすずらんを贈るという風習が生まれたとされます。
当時、5月1日は愛の日とされており葉と花で作った冠を被って男女が花をプレゼントし合っていたそうです。
特にすずらんは恋人の出会いや幸せの象徴であり縁起が良いものだったとされています。
時には鈴蘭舞踏会と呼ばれるパーティも開催され、女性は白いドレス、男性はボタンの穴にすずらんを付けて参加していたとか。
それだけでなく1561年5月1日、当時のフランス王シャルル9世も幸運をもたらす花としてすずらんの花束をプレゼントされ大変喜んだとされています。
その出来事がきっかけでシャルル9世は宮廷の婦人たちにも幸せを分けてあげようと毎年すずらんを贈ることにしたそうです。
その後、19世紀末頃になると庶民の間でもすずらんを贈る風習が定着したのだとか。
多難すぎたシャルル9世の人生
シャルル9世は幼い頃に結核を患い、病弱な幼少期を過ごした人物として知られています。
当時、早世した兄フランソワ2世を継いで10歳で即位したものの実権は母親カトリーヌに握られていたそうです。
そんなシャルルはプロテスタントであるコリニー提督を登用して父親以上に慕っていたものの1572年の「サン・バルテルミの虐殺」にて最愛のコリニーを失ってしまいます。
シャルルはそのショックに耐え切れず「もう全員殺せ」と叫んでいたほどだったとか。
この事件の黒幕は実母のカトリーヌとされたものの実際に虐殺の命令を出したのはギーズ公アンリとも言われています。
ただ、そのショックもあってか事件の2年後の1574年5月30日にシャルルはこの世を去ります。
その生涯は23年という大変短いものだったとか。