レバノンのバールベック遺跡。古代ローマ時代の神殿の基礎部分などに使われた巨大な石材は、当時の技術力を示す驚異的な証拠として知られている。特に近年発見された1650トンもの切り出し石(南の石など)は、人類が手で切り出した最大の石塊とされ、主流の学者たちにとってもその存在は畏敬と謎の対象だ。

 しかし、そのバールベックの巨石をも凌駕するかもしれない、さらに巨大な巨石群がロシアの奥地で発見され、世界の研究者たちに衝撃を与えている。その名は「ゴルナヤ・ショリア」。シベリア南部の山中に眠るこの遺跡は、我々の古代文明に対する理解を根本から覆す可能性を秘めているのだ。

“バールベックの巨石”を超える? ロシアで発見された常識破りの超巨石群「ゴルナヤ・ショリア」
(画像=ゴルナヤ・ショリアの巨石群,『TOCANA』より 引用)
“バールベックの巨石”を超える? ロシアで発見された常識破りの超巨石群「ゴルナヤ・ショリア」
(画像=画像は「The Ancient Code」より,『TOCANA』より 引用)

シベリアの山中に眠る巨石の壁

 ゴルナヤ・ショリアの巨石群は、2013年に地理学者のゲオルギー・シドロフ氏によって初めて探検・撮影された。そこに広がっていたのは、まるで巨人が巨石を積み上げたかのような驚くべき光景だった。

 平らな面、直角、そして鋭い角を持つ巨大な花崗岩のブロックが、高さ40メートルにも積み上げられている場所もあるという。その石組みは、古代ギリシャなどで見られる、隙間なく巨大な石を組み上げる「キュクロプス式」を彷彿とさせる。

 驚くべきはその大きさだ。予備調査によれば、ゴルナヤ・ショリアにある石の中には、一つで3000トンから4000トンにも達すると推定されるものがあるという。これはバールベックで最も有名な1650トンの石塊と比較しても、2倍から3倍に相当する、まさに規格外のサイズである。

“バールベックの巨石”を超える? ロシアで発見された常識破りの超巨石群「ゴルナヤ・ショリア」
(画像=「南の石」(別名「ハジャル・ヒブラ(妊婦の石)」) Ralph Ellis – Ralph Ellis images, CC 表示-継承 4.0, リンクによる,『TOCANA』より 引用)