3カ年の中期計画で重点的に取り組む施策

――ご経験を踏まえて、M&Aでシナジー効果を出すポイントは何だとお考えでしょうか。

岡田 一番大事なことはパートナーとの間で同床異夢にならないことだと思います。同じ意見を述べていても、結果として総論賛成・各論反対になってしまうケースがあります。当社とNTTドコモは非常に相性が良かったこともあるのでしょうが、やるべきことの方向性に齟齬がなかったので、NTTドコモが外部に委託していたコールセンター業務をスムーズに我々に移管していただきました。

――NTTグループはもとが公社、ドコモ・ファイナンスは独立系と出自が対称的ですが、両社の企業文化をどのように融合したのでしょうか。

岡田 融合とは反対かもしれませんが、一番ありがたいのは当社の独立性を尊重していただいていることです。NTTドコモのやり方に従うようにという要請もありませんし、我々の生い立ちや成り立ちをしっかりと尊重していただき、人事制度も当社独自の制度を運用しています。型にはめられることもなく、より当社が成長する環境を整えていただいており、社員も戸惑うことなく業務ができており、非常に感謝しています。

――向こう3カ年の中期計画で重点的に取り組む施策を教えていただけますか。

岡田 最優先課題はNTTドコモと一体となった無担保ローン事業の拡大で、その中でAI活用などデジタル化も進めていく方針です。それから当社の利益を牽引する信用保証事業を安定的に伸ばしていきます。モーゲージバンク事業では、長期固定の「フラット35」を中心に取り扱っております。現在は、住宅ローン利用者の多くが変動金利を選択していますが、金利が上がってきたことで少しずつ固定金利に回帰してくると予想しております。その動向も踏まえてドコモのお客様にも「フラット35」をご案内するなどして、取り扱いを増やしていきたいと思います。すべての当社の事業において、NTTドコモとのシナジー効果が出せると考えています。

(取材・文=小野貴史/記者)

提供元・Business Journal

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