トランプ政権は、反イスラエルのデモを許していた大学を締め上げている。政府の関与する大学への補助金を停止すると脅すだけでなく、民間の財団に対しても圧力をかけている。1月20日の就任後約100日間の動きは信じがたいものがある。

トランプ大統領 ホワイトハウスXより
日本のメディアの報道では、関税問題が大半を占めるが、トランプ政権の反DEI(多様性・公平性・包括性)施策は徹底していて、大企業もそれを取り入れて、これまでの民主党政権の多様性施策が反転しているような状況だ。ロシアや中国もビックリの専制政治となっている。
政府補助金カットに恐れをなして、コロンビア大学は完全にひれ伏した感じだったが、ここにきてハーバード大学がトランプ政権に反旗を翻したことで様相が変わってきた。「反米・反イスラエル思想を抑え込むこと」や「反DEI」を押し付けようとしたトランプ政権に対して、ハーバード大学が学問の自由などを盾にして、政権に従わないことを明言したのだ。これに同調する大学が増えてきそうだし、コロンビア大学も一転、闘う姿勢を示す可能性がある。
ハーバード大学は500億ドル(約7兆円)を超える基金を持っているようで、経営的にはトランプ政権に盾をついてもビクともしない。民主党を支持する東海岸や西海岸のお金持ち私立大学が結集すると、一大論争が巻き起こるだろう。
しかし、トランプ政権も強かだ。今日のロイター通信の報道によると、国土安全保障省が「留学生を受け入れる権利をはく奪する」との書簡を送って脅しをかけたとのことだ。トランプ大統領もハーバード大学を非営利団体ではなく、営利団体として、税金を取ると脅しをかけている。
やくざの抗争以上の品のない争いに、11年以上米国に在住していた身として、米国の誇りはどこに行ってしまったのだろうと寂しくなってきた。日本の大臣も会談にトランプ大統領が登場して「格下の格下」に会ってくれたと舞い上がっていたが、日本も誇りを失ってしまったのか?