しかし今回の論文はそこを真正面から挑戦し、「電場や磁場も本質的には“時空のシワ”として理解できるかもしれない」と提案します。

鍵になるのは「重力と電磁気ではシワの向きが違う」という発想です。

トランポリンのたわみは布が垂直方向に沈む縦シワで、ゆるやかな谷を作ります。

これが重力に相当します。

対照的に、電磁気は布の横方向、つまり織り目そのものがわずかに伸びたり縮んだりする“横シワ”と見立てられます。

目に見える大きなくぼみはないものの、布目の張りが場所によって微妙に違っていれば、そこを転がるビー玉(=電荷)は速度や進路を変えざるを得ません。

これが電場・磁場に相当するというわけです。

この見方の利点は、余剰の次元や未知の粒子といった難しい概念を加える必要がなく、「時空のシワをできるだけ減らす」というルールで話が済むことです。

そこで研究者たちは「時空のシワだけから電磁気の方程式を導き切れるか」を使って精密に検証することにしました。

電磁気は「時空のそのもののシワ」だった

電磁気は「時空のそのもののシワ」だった
電磁気は「時空のそのもののシワ」だった / Credit:Canva

電磁気は空間のシワに過ぎないのか?

謎を解明すべく研究者たちはコンピューターの中に“宇宙サイズのシーツ”を敷き、そのシーツが自分でシワをできるだけ減らそうともがく様子を観察することにしました。

最初の手順ではシーツの四隅をほんの少しだけピンと張ります。

ここで言う「張る力」は、重い星やエネルギーが周囲の時空を引っぱる働きに相当します。

ところが現実のシーツと同じように、どんなに丁寧に伸ばしても完全にはシワが消えません。

布目が密集した部分と緩んだ部分がまだら模様で残り、それぞれが場所によって引っぱり具合を微妙に変えています。

次に研究チームは、その残った折れ目を「磁石がN極とS極を作るときの輪郭線」「風船に静電気を帯びさせたときのモジャモジャした電気の線」に置き換えて色分けしてみました。