研究チームは今回、フィンランド中部で採取された土壌サンプルを調べている際に、これまで見たことのない巨大ウイルスを発見しました。
この巨大ウイルスは直径0.25マイクロメートルに達し、一般的なインフルエンザウイルスやコロナウイルスの2倍のサイズがありました。
このウイルスは発見した大学の研究チームにちなんで、「ユヴァスキュラウイルス(Jyvaskylavirus)」と命名されています。

ウイルスと聞くと、どうしても人体に害のある危険な存在だと思われがちです。
しかし実際は、地球上にいるほとんどのウイルスが人体にとっては無害であることがわかっています。
そしてユヴァスキュラウイルスも現時点での調査では、人体にとって悪影響はないことが示されています。
ユヴァスキュラウイルスはアカントアメーバというアメーバの一種に感染するものであり、人体には病原性を示さないと考えられているのです。

研究チームは、ユヴァスキュラウイルスの発見には大きな価値があると見ています。
これまで巨大ウイルスは、ヨーロッパや南米、北アフリカの比較的温暖な地域で発見されてきましたが、フィンランドのような寒冷地からも見つかったことで、巨大ウイルスが地球全体に広く存在している可能性が示されました。
またユヴァスキュラウイルスはアメーバに感染することで、アメーバの数をコントロールしていると見られ、微生物の生態系のバランスを保つ役割を果たしていると推測されています。