歴史的な快挙です。
米シュミット海洋研究所(SOI)はこのほど、幻の巨大イカである「ダイオウホウズキイカ」の個体を生きたまま撮影することに成功したと発表しました。
生きたダイオウホウズキイカが見つかったのは史上初であり、しかも今回の個体はまだ「赤ちゃん」だったとのことです。
では、その貴重な映像を見てみましょう。
目次
- ついに生きた個体を発見!
- 驚きのあまり、研究者は過呼吸に⁈
ついに生きた個体を発見!
ダイオウホウズキイカ(学名:Mesonychoteuthis hamiltoni)が初めて科学的に確認されたのは、約100年前のことです。
それ以前は存在すら知られていなかったこの生物は、あらゆるイカの中でも最大級の種であり、成体になると全長7メートル、体重は最大で500キログラムに達すると推定されています。
そのため、ダイオウイカとともに「世界最大級の無脊椎動物」と称されています。
その一方で、ダイオウホウズキイカの生きた姿が捉えられたことは今まで一度もありません。
過去に見つかっているのはすべて、クジラや海鳥の胃の中の食べ残し、遺体の残骸の一部だといわれています。

そんな中、シュミット海洋研究所の調査チームは2025年3月9日、探査船「ファルコー号」にて、南大西洋のサウスサンドウィッチ諸島沖を調べていた際に、奇跡的な邂逅を果たしました。
無人の遠隔操作型探査機「SuBastian」が水深600メートル付近で、深海中をふわふわと漂う半透明の生き物の姿を捉えたのです。
全長は約30センチ、触手や眼球の虹彩、特徴的な触手のフック構造から、ダイオウホウズキイカの幼個体であることが特定されました。
こちらが実際の映像です。
これは史上初の快挙であるだけでなく、ダイオウホウズキイカの成長段階を垣間見ることができた点で、極めて貴重な発見となっています。