レースの舞台裏と、無視できない男性不妊の現実
レースが行われるのは約20cmの距離。精子の平均的な遊泳速度は毎分5ミリメートルほどなので、もし真っ直ぐ進めば、レースは約40分で決着すると予想される。この模様は、まるでプロスポーツ中継のようにライブ配信され、統計データや順位表、リプレイ映像、さらには専門家による「実況解説」まで付くというから本格的だ。「あなたが今まで見た中で、最も奇妙で、最も面白いイベントになるだろう」とウェブサイトは謳っている。

このユニークなアイデアは投資家の関心も集めており、Sperm Racing社は最近、このレースのために100万ドル(約1億5000万円)の資金調達に成功したと報じられている。
このイベントの背景には、男性不妊が決して他人事ではないという現実がある。英国では約7%の男性が不妊症の診断を受けているとされる。日本でも同様に、不妊に悩むカップルは5.5組に1組にのぼり、そのうち原因の約半数が男性側にあると報告されている。主な要因は精子の運動性の低下や精子数の減少であり、さらに原因が特定できない「原因不明不妊」も多くを占めているのが現状だ。
治療法は、禁煙や節酒、適正体重の維持といったライフスタイルの改善から、薬物療法、手術、そして体外受精などの生殖補助医療まで多岐にわたる。この一風変わった「精子レース」が、エンターテイメントという形で、こうした深刻な問題への関心を高める一助となるのか注目が集まる。
いずれにせよ、世界で最もミクロなアスリートたちの熱戦が多くの人の関心を集めることは間違いなさそうだ。最も速い精子が勝者となるこのレース、ある意味、私たち全員が、かつてこのレースの勝者だったのかもしれない。
提供元・TOCANA
【関連記事】
・初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
・航空機から撮影された「UFO動画」が公開される! “フェニックスの光”に似た奇妙な4つの発光体
・有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
・ネッシーは巨大ウナギではない! 統計的調査結果から数学者が正体を予測
・積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?