これは人々が悲劇的な作品に惹かれる理由を、単なる感傷ではなく、深い人間的な動機に基づく行動として捉え直す視点を与えてくれます。

今後は、実際の美術館や他のメディア(映画、文学など)における悲劇的な芸術の体験が同様の効果を持つかどうか、またその効果が長期的に持続するかを探る研究が期待されます。

人は悲しみを通じて他者への優しさを学び、そして、それこそが私たちがアートを必要とする最大の理由のひとつなのかもしれません。

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参考文献

New psychology research reveals the paradoxical benefits of viewing tragic art
https://www.psypost.org/new-psychology-research-reveals-the-paradoxical-benefits-of-viewing-tragic-art/

元論文

The paradoxical benefits of viewing tragic art
https://doi.org/10.1080/17439760.2025.2481053

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部