船長は9時ごろ、潮上りを決めた。10分程度の移動で次のポイントに到着した。するとミヨシから2番目のアングラーがヒットし、ラインは110m出ているとのこと。同じ程度かなと思った瞬間、私にも連鎖した。

重量感からすると小トンだろう。固く締めたドラグからラインが引き出されることはなく、5分程度でタモに収まった。フロントフックのみのジグを小トンは丸のみだ。

ミヨシのアングラーはトンジギ初心者だったらしく、取り込み寸前にサオを強く立てた瞬間、リールシート上部で折れ、ジグから穂先までロスト。残念だったが、これも経験だ。しかし、彼はこの後、再びヒットさせ、今度はスピニングタックルで11kgクラスを見事取り込んだ。

トンボジギング釣行で11kg頭に船中ビンチョウマグロ8匹【三重・志摩沖】筆者に5.5kgの小トン(提供:週刊つりニュース中部版APC・伊藤明洋)

渋いながら時合いにビンナガ手中

10時を過ぎたころ、川島さんは2匹目を取り込み、続いて島本さんも釣り上げた。この日は爆釣を予想していただけに、想像以上に厳しい状況だったが、皆さん各々の釣りスタイルを駆使しながら黙々と釣り続け、釣果を出していった。

手巻きで釣果を出せた私は、電動に変更し次の時合いを信じて粘っていた。沈黙の時間が続いたが、11時半ごろから再び僚船からの無線もにぎわってきた。

正午すぎ、島本さんが2匹目を釣り上げ、私にもヒット。これは重量感もあり電動で巻き上げたが、すぐにドラグが滑りだした。すかさずピックアップに切り替え、ポンピング開始。魚が船尾に走るので、バッテリーを持ってトモへと移動。

しかし、水面下に見えたのはなんとサメ。移動の最中にサメがマグロを食い尽くしていたのだ。最後は、ジグまで食いちぎってブレイクとなった。この最中に誠君はヒットさせて2匹目を取り込んだ。

トンボジギング釣行で11kg頭に船中ビンチョウマグロ8匹【三重・志摩沖】島本さん時合いにトンボゲット(提供:週刊つりニュース中部版APC・伊藤明洋)

最終釣果

午後1時を過ぎると爆風となり、大波が船べりまで押し寄せるようになり、危険と判断した船長は早上がりを決めた。