中学、高校はほぼいかずにゲーム三昧。 派遣の仕事で得たお金で全国を旅行しまくりで貯金ゼロ。 仕事では上司に嫌われて首に。 ネット掲示板でケンカをして管理人に厳しく叱られる。 後輩を信じて借金に応じたら持ち逃げ。 実らない一方的な恋愛も数しれず。 宗教やネットワークビジネスの勧誘で軟禁される。
他にも挙げだしたらきりがないほど失敗だらけで、およそ当時の若い人がやるであろう失敗の多くを経験した。
だが、そんな痛みを通じて得たのは、「これは自分には合わない」「二度とやらない」という確固たる“自分軸”だった。だから今では、「新しいことに興味はあるけど、怖くて踏み出せない」と迷うことがほとんどない。
よく言われる「元ヤンキーが落ち着いたいい父親になる」現象のように、若い頃に“やりきった感”があると、大人になってから自然と落ち着いていられるのだと思う。
許される年齢の間に失敗をしておけ
人生の前半戦は、言ってみれば“ボーナスタイム”だ。多少の失敗は許されるし、時間が経てば笑い話にもなる。だが、同じ失敗でも40代を過ぎてからでは許されないことが多く、信頼も一気に失うリスクがある。
人間は「未経験のこと」をどうしても試したくなる生き物だ。しかし、何歳でやるかによって、その結果は大きく変わってくる。だからこそ、若いうちに経験しておくべきなのだ。
もし今、あなたが20代や30代前半なら、ぜひ“バカ”なことをしてみてほしい。常識を破ってもいい。失敗しても構わない。それはあなたの人生における“予防接種”になる。
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中年以降を健やかに、そして冷静に生き抜くためには、若いうちにあえて“狂って”おくことが大切だ。失敗して痛みを知り、自分に向いていないものを知り、迷わない自分を作っておく。これはビジネスにおいても、人生そのものにおいても、大きな資産となる。
「若気の至り」は、若いからこそ許される。だからこそ、あなたがもし今その“特権”を持っているなら、迷わず使ってほしい。それが、将来を支える武器になるのだから。