ジョン・F・ケネディ大統領暗殺から61年。その死を巡る陰謀論は今なお根強い。最近、米下院に新設された連邦機密解除タスクフォースが、この歴史的事件に関する陰謀論の「再活性化」を主な目的に、異例の公聴会を開催した。MAGA派(※)のルナ議員が主宰し、映画監督オリバー・ストーン氏らも証言台に立ったこの公聴会は、陰謀論と現代の政治的思惑が入り混じる、注目すべき場となった。

※MAGA=「Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)」を掲げるトランプ前大統領の支持層を指す保守派のスローガン。

陰謀論オンパレード「ウォーレン委員会」から「CIA関与説」まで

 公聴会では、ケネディ暗殺に関する公式調査(ウォーレン委員会)への批判や、リー・ハーヴェイ・オズワルドの単独犯行説を否定する「魔法の弾丸」説、そしてCIAやマフィアの関与を示唆する長年の陰謀論が改めて展開された。オリバー・ストーン氏は、CIAが未だに重要な情報を隠していると主張し、議会による調査再開と情報公開の強制を訴えた。これらの主張は、アメリカ国民の多数がオズワルド単独犯説を信じていないという世論を背景に、改めて注目を集めた形だ。