そして名刺を渡すだけでなく、相手から受け取るのもリスクがあると思っている。

これは絶対にあってはならないことだが、情報流出をさせる加害者になってしまうリスクということだ。大企業でも顧客情報が入ったパソコンを電車に置き忘れた、といった事故が話題になったように、名刺を外に置き忘れれば取引先からの信用失墜は免れない。

そのため、筆者は不要な個人情報はできるだけ受け取らないように工夫している。連絡先を記した名刺を受け取ったら、Eメールやビジネスチャットでつながった後は名刺をシュレッダーする。名刺には氏名、住所、電話番号などが書かれており、あまり長く保持したくはないのだ。

名刺は今なお一部の大企業との取引では有効な手段だが、個人や小規模事業者にとっては、プライバシーや時間を脅かすリスクが大きくなっている。

デジタル名刺やビジネスチャットなど、代替手段も進化している現在、名刺の扱い方を見直すことは、むしろ時代に即したスマートな選択と言えるだろう。

 

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