衛星攻撃兵器か、実験か? 憶測呼ぶロシアの意図

 軌道上で物体を放出する行為は、様々な目的が考えられる。衛星の点検や、ドッキング(結合)あるいは編隊飛行技術のテストといった平和的な目的の可能性もある。あるいは、科学的な観測装置(ペイロード)である可能性も否定できない。

 しかし、より懸念されるのは、軍事的な実験、例えば他の衛星への攻撃を想定した標的としての利用や、衛星攻撃兵器(ASAT)そのものである可能性だ。「コスモス」衛星には、過去にASAT実験や衛星査察、偵察、電子諜報といった軍事目的で使われてきた歴史がある。近年、ロシアや中国が他国の衛星に接近したり、何らかの物体を放出したりする動きは、宇宙空間における軍事的緊張を高める要因として注視されている。

 ただし、3基の衛星が編隊を組んで飛行すること自体は珍しいことではない。アメリカの海軍海洋監視システム(NOSS)や中国の遥感(Yaogan)衛星群のように、電子諜報などを目的として3基1組で運用される衛星は多数存在する。

 今回の物体放出が、単なる衛星の破片(スペースデブリ)である可能性も考えられるが、通常、意図しない破砕であれば多数の破片が発生するため、単一の物体である点は不可解さが残る。

 果たして、ロシアの秘密衛星コスモス2581、2582、2583、そして新たに放出された謎の物体は、これから軌道上でどのような活動を見せるのだろうか。その目的が明らかになるまで、宇宙追跡コミュニティの関心と、場合によっては警戒感が続くことになりそうだ。

提供元・TOCANA

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
航空機から撮影された「UFO動画」が公開される! “フェニックスの光”に似た奇妙な4つの発光体
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
ネッシーは巨大ウナギではない! 統計的調査結果から数学者が正体を予測
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?